家の寿命
- 2023.05.01
- 住まいのお役立ち情報
- 家の寿命
日本の家は寿命が短いとも言われていますが、一般的に「古い」と言われるような築年数になるとも「寿命は大丈夫だろうか?」と不安になりますよね。よく耳にするのは「30年を過ぎると寿命」という言葉ですが、それは本当なのでしょうか。
少しでも長持ちさせるには、劣化や不具合を直すことが大事です。ただ、その都度、修繕…修繕…と繰り返すよりも、リノベーションや建て替えによる新築もいいかもしれません。
今回は、昔の家づくりと近年の新築住宅の違いも含めながら、「家の寿命」についてまとめてみました。
家の寿命とは?
まずは、世間一般で言われている「家の寿命」という考え方について見ていきましょう。
一般的に言われている寿命について
住宅の寿命について、「耐用年数」という言葉もよく耳にするのではないでしょうか。
耐用年数とは、減価償却の計算上使う数値であり、家の寿命とは異なります。「木造住宅→22年」という法定耐用年数を過ぎると寿命ではないかと捉えられがちですが、実際の住まいの寿命はもっと長いです。
それでは、家の寿命がどのくらいかと言うと、
・木造住宅は30年以上
・鉄骨住宅は30~60年くら
・マンションなどの鉄筋コンクリート造は40~90年くらい
が目安となり、構造や使われている建材などでも寿命は異なります。
しかし、世間的に言われている寿命はあくまでも統計上の数値や目安であるため、それを過ぎても住める家は多いのです。
なぜ、日本の家は寿命が短いと言われるのか?
世界では100年を超える寿命の家もあって、日本の家の寿命は短く感じる方も多いでしょう。
日本の家の寿命は短めなのは、高度経済成長期に住宅が量産されていた時代があったことも背景にあります。当時は、人口が増え「家を建てたい」という人が多く、需要が急増。とにかく、家を建てるという時代でしたから、性能があまり重視されていませんでした。
家を建てる施主側でも「子供や孫世代にも残したい」という長期的に住む計画をしている方もいないうえ、今のように建築基準法などをクリアするべきという法律も整備されておらず、現在と比べると品質はどうしても劣っていたのです。
そういった背景から、築30年を過ぎると解体されている住宅が多いというデータもあります。
家の寿命はお手入れ次第で変わる
ここまで、一般的な家の寿命についてお伝えしてきましたが、築年数を何年過ぎたから寿命なのかについては一概に言い切ることは難しいでしょう。
築30年、40年…と過ぎて解体するとき、もちろん「寿命を迎えているからやむを得なく解体する」という理由の方もいるでしょう。しかし、一方で、「ライフスタイルに合わない間取りだから…」「劣化がかなり目立つから」など、まだ寿命は来ていないけれど解体するケースも少なくありません。
また、家の寿命は、メンテナンス状況で変わってきます。新築住宅を建てたときから、定期的な点検によりメンテナンスをしている場合、大きなダメージが起こる前に対応することができます。外観や内装、設備と古くなった箇所をリフォームしていれば、寿命と言われる年数を過ぎてもまだまだ住めるケースが多いです。築50年、60年…と一般的には古い家でも、丁寧なお手入れができていれば、寿命は延ばせます。
逆に、「汚れに気づいても放置している」「異変があっても様子見をしている」といったお手入れ不足、あるいは「修繕」というよりも、その場しのぎの応急処置的なものを繰り返していると躯体に影響が起こって長く住めなくなってしまうこともあるのです。
寿命を過ぎたらリノベーション?それとも建て替え?
ただ、一般的な寿命を過ぎてくると、何かしらの対策は必要になってきます。
小規模な改修を繰り返すよりも、「リノベーションで大改装」、それとも「建て替えで新築」という選択肢が出てくる頃でしょう。どちらも大きなお金がかかるため、なかなか決められないという方が多いのかもしれません。そこで、メリット・デメリットを検討材料のひとつとして考えてみましょう。
リノベーションのメリット・デメリット
リノベーションは、構造的に重要な部分は解体せずにそのまま使い、間取りや内装、屋根、外壁、設備などを変えていきます。一見、新築のような新しさを得ることができます。
ただ、構造上の問題から大きな間取り変更が難しいこともあります。しかも、基礎や柱などがそのままなので場合によっては耐震性を高めるための補強が必要なケースも。結果的に、新築に近いような費用が発生する可能性もあるでしょう。
リノベーションのメリット・デメリット
リノベーションは、構造的に重要な部分は解体せずにそのまま使い、間取りや内装、屋根、外壁、設備などを変えていきます。一見、新築のような新しさを得ることができます。
ただ、構造上の問題から大きな間取り変更が難しいこともあります。しかも、基礎や柱などがそのままなので場合によっては耐震性を高めるための補強が必要なケースも。結果的に、新築に近いような費用が発生する可能性もあるでしょう。
建て替えのメリット・デメリット
建て替えは、これまでの家を壊して新しい家を建てること。間取りやデザインという外見的な面を新しくできることはもちろん、耐震性や耐火性、断熱性、耐久性にもこだわりながら建てることができます。
また、現代ならではの視点で家づくりが可能です。書斎や吹き抜け、対面式キッチン、リビング階段…など、明るく心地良い空間づくり、家族のコミュニケーションにもつながる工夫も盛り込めます。
しかし、リノベーションと比べると費用面で高く感じやすいのがデメリット。予算的に厳しいという方もいるかもしれません。ただ、基礎からすべて一新できるので、古い時代に建てられた家であれば、耐震性や断熱性などが大きく向上します。住み心地が高まり、家族の笑顔も増える家になるでしょう。
近年の新築住宅は高寿命
最近の住宅は、昔と比べると格段に性能がアップしています。
築年数の古い家にありがちだった「寒い・暑い・湿気がひどい・カビがはえる・地震で揺れる」といった問題をカバーするかのように、現代の家づくりでは高気密高断熱や24時間換気、良質な断熱材、性能の良い窓、地震に強いなどの対策が施されているケースが多いです。
昔の家が築30年で寿命と言われていたのに対し、人生100年と言われている現代の新築住宅ならかなり長寿の家づくりができるでしょう。
ただ、ひとくちに新築とは言っても、どこに依頼するかで性能は変わってきます。それぞれの住宅会社の家づくりのコンセプトをしっかり知ることが大事です。
まとめ
家の寿命は、お手入れ次第で、長くも短くもなります。一般的な寿命を超えても、丁寧にお手入れできれば、まだまだ居住は可能です。
ただ、昔の家づくりは性能の良さにこだわっていないケースが多く、リフォームを重ねたり、リノベーションを行っても、近年の新築住宅と比べると住み心地は劣ってしまうかもしれません。新築住宅なら、質の良い建材で、耐震性・耐久性が実感できる工法で建てられ、今後数十年と安心して住み続けられる家にもできるのです。
「今の家が古くなってきた」というときは、リノベーション・建て替えの選択肢で悩む方も多いでしょうが、メリット・デメリットを比較しながら、ご家族の今後のライフプランを考えてじっくり検討しましょう。
-
前の記事
土地を買う時の注意点 2023.05.01
-
次の記事
住宅ローンの繰り上げ返済はしないほうがいい?賢く判断して得をしよう 2023.05.18