土地を買う時の注意点
- 2023.05.01
- 住まいのお役立ち情報
- 土地を買う時の注意点
新築住宅を建てるときの土地選び。どんな基準で土地を選ぶかは人によってさまざまな考えがありますが、「職場の近く」「相場よりも安い土地」など立地や価格で選びたくなるかもしれません。
ただ、土地の個別的な要因は「理想の家を建てられるか」とも関わるのでしっかりとチェックすることが大事です。
土地を買うときの注意点についてはいくつもありますが、今回はそのなかからいくつかピックアップして詳しく説明していきます。
ポイント1:土地によって変わる「建ぺい率」と「容積率」を知る
土地選びをするときに知っておきたいのが「建ぺい率」や「容積率」です。
どちらも、その土地の広さに対し“建てられる建物の大きさ”の割合を表す数値で、土地(地域)によって違います。
住宅街では、それぞれの建物に「日当たり・風通し・防災」の視点でゆとりを設けるように定められていて、敷地を目一杯使わないように「建ぺい率」という基準が設けられています。敷地の何%を建物に使ってよいかをパーセンテージで表したものです。
たとえば、120㎡の土地に対し、「建ぺい率 50%」となっていれば、「120㎡×50%=60㎡」が建築面積(建物を上空から見たときの面積)になります。
一方の容積率は、「延床面積(各階の床面積の合計)」を制限する数値です。120㎡で「容積率 100%」という土地の場合、「120㎡×100%=120㎡」が延べ床面積になります。
このように、「広さは同じ」でも立地によって建ぺい率・容積率が変わると、建てられる家の大きさが異なります。つまり、土地の広さを目一杯使って建てられるわけではないのです。選ぶ土地によっては、理想の間取りが叶えられないこともあるので注意しましょう。
ポイント2:接面道路をチェックする
土地に面する道路との関係性も土地選びで重要視したいポイントです。
家を建てるためには、
・4m以上の道路幅に2m接すること(間口が2m以上)
・その道路が建築基準法で定める道路であること
という「接道義務」があります。4m未満の道路の場合、中心線より後退、そして後退したところが境界線になるセットバックが必要なケースもあり、敷地の面積が減ることになります。
また、旗竿地(敷地延長)の場合は、道路に面している間口に注意しましょう。前述のように「間口2m以上」が家を建てるための条件のひとつです。たとえば間口が1.5mしかなければ再建築ができない“再建築不可物件”となる可能性があり、せっかく土地を買っても家を建てられないかもしれません。
さらに、道路の所有者も確認しておくことが大事です。車や人がよく通るから公道だと思っていたら、実は私道というケースもあります。公衆用道路の場合、国や都道府県、市町村が所有する道路ですが、私道は所有者の許可を得なければ通行できないなど、後々のトラブルに結び付くリスクもあるので注意しましょう。
ポイント3:ハザードマップをチェック
豪雨による浸水被害が深刻化している近年。家を建てたばかりなのに、浸水被害に遭うのは悲しいですよね。そこで、これから家を建てるための土地選びでチェックしておきたいのがハザードマップです。洪水や土砂災害など自然災害が起こったときの被害を想定しておけます。
ハザードマップはあくまでも“予測”で、必ずしも被害に遭うと言えません。ただ、自然災害リスクの低い土地を選びたいときはひとつの安心材料となるでしょう。
また、地盤の強さ・弱さも注目したいポイント。盛土で造成された土地や、周辺よりも低くなっている土地などは、浸水しやすいというリスクがあります。ただ、土地の購入時に地盤調査をすることで、地盤は補強することもできます。
ポイント4:古家付土地を選ぶときは再建築不可に注意
築年数が相当経っている場合、人が住む住宅としては売却できず、家屋が建っていても“土地”だけの価格で売るケースがあります。こういった「古家付」の土地は、購入者が解体することを加味して相場より安いことが多く、解体する前提で新築住宅の土地として買う人もいます。
なかには、すぐにでも飛びつきたくなるような破格の土地もあるでしょう。誰かに買われてしまう前に土地だけ購入したくなるかもしれませんが、慎重に考えることが大事です。
接道義務の条件をクリアしているか、そして用途地域についてもしっかりとチェックしましょう。市街化調整区域の場合、原則的に再建築ができないので注意が必要です。購入した後、あるいは解体した後、ハウスメーカーに依頼したら再建築が難しい土地だったとならないように十分に考えて選びましょう。
ポイント5:“建築条件付き”を正しく理解しておく
土地を買うとき、「建築条件付き」という記載がある土地は、周辺の相場よりも安く土地が買えます。自身の予算よりも安く惹きつけられる価格だと、すぐにでも買いたくなりますよね。ただ、建てるハウスメーカーは限定されています。
建築条件付きの土地の場合、初めから建てるハウスメーカーが決まっているため、土地購入から建築までスムーズに進められるメリットがあります。しかし、一方で依頼したい住宅会社が別にあるときは選ぶことができません。
ポイント6:ハウスメーカーが提携している土地もある
新築住宅の土地探しでは、ネットを中心に探す方も多いのではないでしょうか。今や、パソコンやスマホで簡単に多くの土地を選べる時代で、画面で予算やエリアを絞りながらお手軽にリサーチができますよね。しかし、なかなか良い土地に出会えないという方も多いでしょう。
そこでハウスメーカーに土地選びの相談をする方法もあります。さまざまな不動産会社との繋がりを持つハウスメーカーでは、ネットでは公開していない良い土地を紹介してくれることがあります。しかも、“家づくりのプロ”の視点から土地をサポートしてくれます。土地選びから携わってもらえるので安心でき、心強いパートナーとなってくれるでしょう。
自分で不動産会社を回って土地を選び、それからハウスメーカーに依頼するよりも、「ハウスメーカーと一緒に土地選び・家づくりを進めていく」方が、土地選びの失敗をおさえられるというメリットがあります。
まとめ
「理想の家」とは、デザインや価格だけでなく、土地選びにも深く関係しています。新築住宅を建てるときの土地は、価格や立地だけで単純に選べるものではありません。選ぶ土地によって建てられる家に制限が出ることもあります。
しかも、探し始めてすぐに「良い土地」に出会えることも少ないでしょう。家づくりの第一歩とも言える土地選びに難航してしまう人は実に多いのです。
ぜひ、今回お伝えしたようなポイントをおさえながら、土地選びの際にご参考くださいね。
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